自動運転で漫画喫茶が潰れる?その影響を徹底考察!

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技術の進歩も早く、様々な技術が出てきては世界を変えていきました。そして今AIやブロックチェーンと並んで、世界を変える技術と言われているものの1つが自動運転ですね。

そんな自動運転ですが、AIは様々な仕事を奪うと言われる一方で自動運転はタクシードライバーがいなくなるぐらいの話で終わってしまうことが多いです。

そこで今回は自動運転技術、特に自動運転タクシーの出現によって世界がどう変わるかを「風が吹けば桶屋が儲かる」レベルのものから考えてみます。

電車時代の終焉

配車サービスの価格から人件費が抜かれると、それこそ発展途上国のタクシーと同様か、それ以下に価格が落ちることになります。

そうなったとき電車という移動手段は、優位性が失われてしまうものと思われます。

終電という概念がなくなる

電車の代わりにタクシーが使われるようになると、終電という概念がなくなります。

電車圏において電車の与える影響は大きく、それがなくなることで様々な変化が起こることが想定されます。

終電時間後までサービスを営業しやすくなる

いつでも自由な時間に帰れるようになるため、終電時間関係なくサービスを継続できるようになります。

それは悪く言えば働く人も同様です。
ブラック企業で働いている人は終電なので帰りますと言えなくなってしまいます。

始発まで時間を潰す系のサービスが価値を失う

サービスを継続しやすくなる一方で、終電を逃してしまった人たちで成り立っていたサービスは、利用者が減ってしまうかもしれません。

たとえば24時間営業のお店で、始発まで死んだように寝てる人がいる光景なんてなんども見たことありますよね。

そういった人たちも、自動運転タクシーに安く乗れるようになったら残る理由もなくなります。

下手したらラブホテルの利用率も低下して出生率が落ちました、なんてこともあるかもしれませんね。

駅から徒歩何分の価値がなくなる

駅が価値を持たなくなることで、住宅の価格も大幅に変動していくと思われます。

特に東京、新宿、渋谷、品川のようなハブとしての価値が高い駅は、大幅に価値が落ちてしまうかもしれません。

自分で運転する必要がなくなる

自動運転タクシーが便利に使えるようになると、自分で車を所有する人も減ってくると思われます。

また自分で車を持つにしても、自動運転により自分で運転する必要も無くなってきます。

居酒屋の売り上げが上がる

車で居酒屋に来た場合、お酒を飲めない人が1人は現れます。
その人に気を遣ってそんなに量も飲めない、盛り上がりきれないなんてこともあるかもしれません。

一方で自動運転が普及すると、全員お酒を飲めるようになります。
すると居酒屋で酒を飲む人数も増えますし、心理的ハードルも下がり利用率も上がるのではないでしょうか。
電車を使わない田舎の場合は特に、その影響は大きくなるでしょう。

運転免許証がなくなる

当たり前ですが運転免許証を取る理由がなくなります。

誰も交通ルールを学ぶ必要がなくなり、道路標識も誰も読めない時代がもうすぐ来るのかもしれませんね。

居場所としてのタクシー

タクシーの価格が落ちカジュアルに乗れるようになってくると、移動というより居場所としての価値が高まってくると思われます。

カフェや漫画喫茶の代わりになる

カフェに行く理由も様々ありますが、「美味しいコーヒーを飲みたい」というよりは座ってゆっくりできる場所として利用する方も多いんじゃないでしょうか。
タクシーも同様に、「足が疲れたから座るために利用する」という状況になりえます。
特にUberのようなアプリから、「どこからでも呼び出せて、自分の元に来てくれるカフェ」ができあがるというわけです。

これはカフェだけでなく、漫画喫茶などあらゆるサービスがタクシー化していく可能性があります。
たとえば飛行機のように、タブレットから映画や書籍を閲覧できるサービスはすぐにでも生まれてくるでしょう。

つまり自動運転タクシーにより自分の移動が楽になるのではなく、必要なサービスを自分の元に呼び出せる時代が来るかもしれません。

ホテルの代わりになる

タクシーの値段が下落し快適な空間になった後は、漫画喫茶で生活している人たちのようにタクシーで暮らす人たちも出て来てしまうかもしれません。
特に「寝台タクシー」のように、長期滞在に特化したベッド付きタクシーが出てくる可能性もあります。

これは何より、旅行を考えたときに非常に便利です。
タクシーで寝ながら移動して、朝から次の都市で観光というのは費用的にも時間的にもものすごく効率的ですよね。
ホテルほど快適になりえないため一長一短にはなるとは思いますが、ホテルの利用者が減る未来もあり得るかもしれません。

移動のコストが下がる

都市への一極集中の緩和

タクシーは電車より移動のハードルが低いため、あらゆる意味での移動のコストが下がります。

物理的に近い距離に住む理由が薄くなり、都市への一極集中が緩和されるかもしれません。

少し距離が離れてても良いところに行くようになる

移動のコストが下がるということは、サービスにとっての競争相手が増えるということになります。

例えばある駅周辺で1日過ごそうという時に、その駅にあまり良いお店がなくても仕方なくその駅の周辺のお店ですませるでしょう。
一方で、タクシーにより安く気楽に移動できるようになればちょっと離れた良いお店に行くのではないでしょうか。

つまり良いお店に人が集まり、立地で人が集まるようなお店には人が入らなくなっていくことでしょう。

自動運転タクシーの課題

汚れの問題

誰もいないということは掃除する人、ゴミを残されるのを防ぐ人がいないというわけです。
つまり食べ物の残りカスなどのゴミが車の中に残される可能性があるわけです。
朝タクシーに乗ったらゲロまみれになっていることは想像できますし、粗大ゴミを車の中に捨てていく人すら出てくるかもしれません。

したがってただ自動運転になっただけで、すぐに人が入らなくなるということにはならないでしょう。
監視カメラで自動的に汚れを検知して汚れを発生させた人に罰金を発生させるなど、何かしらの対策が必要になってくるでしょう。

都市が車で埋め尽くされる

日本の通勤の電車を想像してみてください。
あれに乗ってた人たちが全てタクシーに乗ったらどうなるでしょうか。
渋谷のスクランブル交差点を歩いている人たちが全てタクシーに乗ったらどうなるでしょうか。
純粋に人1人あたりの占有する空間の量が爆発的に増えることにより、狭い空間に大量の人を抱える今の東京だと空間が足りなくなってしまうものと思われます。

例えば集合住宅の前に、学校や会社に向かう無数のタクシーが止まっているところを想像してみてください。
道路がタクシーで埋まって、もはや移動できない状況になってしまうんじゃないでしょうか。

他にも始業前に大企業のビルの前にタクシーが無数に止まっているかもしれません。
そうなると大企業のビルの前で停車しようとするタクシーが列をなして、渋滞が発生してしまうことでしょう。

こういった「空間の占有量が増える」問題を解決しない限り、様々な社会問題が引き起こされることになるでしょう。

まとめ

自動運転技術が与える影響を様々な側面から考えてみました。

「自動運転車でタクシー運転手の仕事がなくなる!」というのはもはや語るまでもない話だと思いますが、それだけでなくそれ以外の業種にもインパクトの与える技術だと思います。
なぜならこういった変化はドミノ倒しのように連鎖的に影響を与えていくからです。

変化の大きい今の時代、どう変わっても受け身が取れるように柔軟に生きていきたいですね。