グループアイドルの終焉?SMAP解散騒動から見るメディア・芸能界の性質と今後

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2016年のSMAP解散騒動は日本中を騒がす大事件になりましたね。

飯島派・ジュリー派などのドロドロした話から、AmebaTVに森くん出演など話題には事欠かない出来事でした。

私は書籍『SMAPはなぜ解散したのか』を読み、話はそれだけでは終わらないことがわかりました。
SMAPの解散は強いては日本の芸能システムの崩壊や、グループアイドルという形式が崩壊してしまうことにも繋がってしまうかもしれないのです。

『SMAPはなぜ解散したのか』から、騒動の中で見えてくるメディアや芸能界の特性、そしてそこから見える芸能界の今後について考えていきます。

SMAPの歴史

SMAPが活動を始めた頃、アイドルは冬の時代と言われていました。
なぜなら音楽番組の終了やバンドブームやカラオケの浸透による音楽の能動化によって、偶像性としてのアイドルが機能しなくなったからです。

そんな中、もともと落ちこぼれだったSMAPはバラエティに活路を見出しました
特にアイドル業、俳優業、コメディアン、司会者と全方位でこなしていくことでSMAPは爆発的な大ヒットに成功しました。

騒動の中に見えるマスコミの性質

報道の始まり

今回の騒動は、週刊誌が事務所にインタビューで派閥問題に切り込むことで始まりました。
その後は(おそらく)事務所がスポーツ紙にリークして週刊誌より情報を先行させることで世論を操作していくことになります。

マスコミの反応の違い

テレビ

今のテレビは独自取材を行うことが減り、他の記事を引用する2次メディアとなっています。
そうしたネットメディアやTVがスポーツ紙の2次メディアとして広く報道することで、騒動は拡散していきました

スポーツ紙

騒動の中で、スポーツ紙やテレビ局は一方的に事務所側の主張を続けるメディアとなっていました。
これはスポーツ紙は情報リークの共犯関係のため、テレビは自社の目指す方向のために全ての部局を統制する編成局が報道の独立性を阻害しているためです。

週刊誌

週刊誌のみ、当事者の実名取材や独自の論調・分析を加え問題に切り込んでいきました

日本の芸能プロダクションの性質

日本や韓国はグループを長期育成できる構造になっている

日本や韓国にグループアイドルが多いのは、それが長期育成できる構造になっているからです。

日本や韓国のアイドル

日本や韓国は芸能プロダクションが芸能人を雇用する関係性にあります。
これは事務所の力である意味ゴリ押して貰えることができる一方で、移籍や独立による圧力もあります。

アメリカの芸能人

一方でアメリカでは芸能人が窓口の代理人を雇用する関係性にあります。
映画監督や脚本家を抱える代理人もいますが、主導権を握るのは芸能人側となります。

移籍や独立ができないメリット

つまり日本や韓国は、移籍や独立を防ぐことで幼いころから抱え長期育成することが出来ているというわけです。
売れ手が稼いだ利益を若手育成費へと回していくモデルというわけですね。

入れ替わりを想定した若手育成モデル

芸能プロダクションの立場から所属芸能人を見たときに、スキャンダルや加齢によって退潮するリスクがあります。
そのためいかにリスクを無くして複数の芸能人を育てて行くかが大事になってきます。

少年・少女のアイドルグループがここまで多いのは、この構造だからこそなんですね。

今後の芸能界

韓国のJYJ法からみる日本の法律

韓国でも東方神起のメンバーが脱退後干され国をあげての問題となりました。
しかしJYJ法と呼ばれる法案が成立し、圧力をかけたものには罰金が科されるようになりました。

似たような法案が今後日本でも成立するかもしれません。

卒業メンバーのAmebaTVの進出

私としてはAbemaTVに森くん含めた元SMAPメンバーが出演したことが非常に印象に残っています。
それはなにより「森くんに女遊びを教えてもらった話」など地上波じゃ絶対に見れないものだったからです。

そういった現状を見るに、JYJ法なくとも今まで芸能界を縛っていたルールだんだんと崩れ去ってきているように感じます。

長期雇用の崩壊による構造の変化

移籍や独立の圧力がなくなるということは、長期雇用前提だからこそできた幼少期からの長期育成・グループアイドルモデルが成立しなくなってくるということに繋がってきます

そうなった先に芸能事務所が衰退していくのか、それとも別の形をとって生き残っていくのかは、今後注目すべき点になるでしょう。

各芸能プロダクションの対応

すでに吉本はAmazon、Netflixと組んだり時代に柔軟に対応しようとしているように見えます。

それでは古くからの体質が残るジャニーズはどう対応していくのでしょうか?
これから各事務所がどうなっていくのかは、非常に楽しみに感じます。